エンカウント
私はブラックコーヒーを飲めるようになったら逢いにいく気でいました。ゆうくんに。
でもそんなこんなであれから馬鹿みたいに時が過ぎ、
去年、2018年の7月10日、絶縁したのを最後に
昨日、2019年の7月17日まで一度も出会うことなく過ごしてきた私。
さっき、偶然出逢ってしまった。
ふざけないでほしい、運命はどこまで私のことを舐め腐っているんだろう。
もうあまり思い出さなくなって、それでも片隅では毎日毎日ゆうくんが消えなくて
それなのに、今。このタイミングで。
夏は私が鬱になる季節で、去年と同じようなことがまた今年も起こっている。こんなふうに毎日が進んでいくことがもう耐え難い。自殺したいほど、ゆうくんを忘れたい。
辞めたと思っていた学校の中だった。5号館の4階の狭い廊下。
突然のことでなにも喋れなかった。
目が合ってすぐ、「久しぶり」。
私はこんなにすんなり受け入れられなかった。絶縁した時みたいに、ずっと黙っていた。あの時と違うことがあるとしたら、ゆうくんのことをしっかり見つめていたこと。「·····え、本名さんだよね?」「はい、そうです」。謎の敬語。
「学校、、え、辞めたんじゃなかったの、、」「いや学校辞めてないわ!笑笑」、本当に、本当に辞めたと思っていたのでそんなこと初耳だ。「今からテストだから!」っていやいや、私たち1年ぶりにやっとまた出会ってしまったわけですけど、は?待ってください。
待ってください。
人生に待ってと言っても待ってもらえないのが醍醐味で、私はこの数奇なタイミングにわくわくでもないしどきどきでもないし、おかしいなという不信感ばかりを募らせて、元気そうでよかったということばかりが何故か頭の中をリピートしている。これは本当に私の感情か?わからない。わからないし、会えて嬉しかったのかさえもわからない。
これをどうしたらいいかもわからない。お手上げ状態だ。このまま終わらせるなんていう生ぬるい選択を私がしてしまうとしたら、もうなにもかもがおわる。私がずっと念じてきたゆうくんへの想いはどうなるんだ?どうしようもない、ただ今はぽっかりとしたきもちで5限を受けている。