夏枯れ
暇でも愛でもなんでもいいよな。わかんなくたってわかんないまま生きていけるのだ今はな。
あたし、あの子のこともちろんすきだけど、それが暇でも愛でもいいよ。すきなことには変わりないじゃないか。
ゲームでたとえると、
課金してたとしても、冷めたり本気になったりするし、ドブれば八つ当たりだってすると思うって話で
それで本当にこのゲームを愛してるのか、それともこのゲームがちょうど暇つぶしによかったからすきになっただけなのかなんてどうだっていいんだわ。
どうだっていい。
あたしだって性の延長ですきになっただけだし、みんなだって広告で見かけてすきになっただけ。
ラーメンですぐにあの子のことが思い浮かぶくらいもう毒されてて、「今日ラーメンでいい?」って具合の悪い母親に訊かれるのが実はたのしみなのだ。不謹慎だけど。
あのとき、メイクもバイト探しも憂鬱で、過去の悲しい苦しい話でもちきりにして饒舌になって、リストカットしたって嫌なきもちが晴れなくて、でも沖縄で買ったブルーシールを貼ったギターをああやって弾いてたら、なんだか楽な気分になってきた。
歌にするのが大切なことだったのを忘れてたんだ。
ラーメンも伸びたけど晴れ間が広がって、うそみたいにきれいなおてんきあめを久々に見た。
ベッドで眠るおひるちょっとすぎ。
あめがやむころ。